高校の時に好きだったあの子の事、今は思い出しても辛くならない。卒業して3年経ったわけだから。
私のあの子に対する熱量は異常で気持ち悪くて、誰から見てもそうだと思ってた。私があの子をどのくらい好きだったかを説明しただけで特定されそうなくらい好きだった。また21年しか生きてないのにあれを超える片思いはない気がしている。
ただの友達だったくせに図々しく私はあの子の記憶に一生残る気でいた。だって気持ち悪かったから。
好きなところ紙1枚分にビッシリ書いてドン引かれて、寝室に写真印刷して飾ってまたドン引かれた。今思い返すとあれらは奇行というかもうほぼ加害行為だったけど、とにかく自分はあの子の記憶に最悪な形でも残ると思っていた。だからハッキリこれが恋愛じゃないと言われた時、恋愛じゃないに決まってるのにめちゃくちゃ普通に傷ついてしまった。
恋愛じゃないに決まってる。私が馬鹿みたいに2年間もやってたのは顔が好みの女の子に付きまとって迷惑をかけるストーカー行為だ。失恋なわけないし恋ですら無かったかもしれない。
高校生って普通、前髪気にしてクラスの男子と話して可愛いカフェの写真載せるとかだよな、する事。間違っても好きな女の子がインスタに載せてた自撮りの脇の部分拡大して興奮で体調崩すとかじゃないよな絶対。もう本当に嫌になってきた。
誕生日とか部活の引退試合とか、節目節目でその子にものすごい量の手紙を書いていた。LINEで全部言えって話だけど、1番最初にその子に手紙をあげた時思いの外喜んでくれて、それに気を良くして何かあれば手紙を書いて感想を送らせていた。手紙はエモーショナルな気持ちになる夜に書いていたため、元々まわりくどい私の文章は更にまわりくどくなり、後からあんな事書かなきゃ良かった!で発狂していた。特にその子の19歳の誕生日は手紙を書く最後の機会だったため、10年来の親友みたいなノリの手紙を書いてしまい本当に恥ずかしくなって後悔したのを覚えている。だけどそこから2年経った夏、その子から急にDMが来た。暇な時間に私の手紙を見返していたら私の文章に感動してくれたらしく、私の手紙で元気が出たという事だった。報われる事の意味をはじめて知った。
そんな感じで私はとても気持ち悪く普通にドン引かれつつも、まあ友達として仲がいい方ではあった。だから少し寂しくなる。そこそこの間隔でしていたLINEはもう何年もしなくなってもしかしたらブロックされてるかもしれないし、更新する度にすぐ見てくれていたストーリーは今は3回に1回くらいしか見てくれていない。そもそも私のインスタに興味があって見てくれていたのか分からない。
他の人が名前を出すだけで何故が動悸がして汗をかくほど好きだった人、他の女の子と遊んでいるのを見るだけで鬱になるからわざわざミュートにするくらい好きだった人、会わなくなってから数年経って今は少しどうでも良くなった人。と思ったら街でバッタリ再開して、可愛くなったねって言われたのを思い出して涙出そうになるくらいまだ好きな人。